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楽しみ志向かということだが、この調査でもやっている生徒の75%が共同した取り組みの中で生徒自身がそれを選択しているということだから、そういうことを指導者も十分につかみながら指導に臨まなければならない。
昨日のシンポジウムでもあったように、生徒が自分にあったスポーツを見つけ、将来楽しく継続してやれることが大事だと思う。中学生の時に燃え尽き症候群になることなく、長い目でみることが大事だが、中・高という節目で1つの結果を出さなくてはならないというのが、難しい問題だと思う。中学校の教育は本当に大変な時代になってきた。それだけに今こそ消極的な考え方ではなく、積極的に部活動に真剣に取り組まなくてはならないと思う。公教育といっても、将来は生徒や親が学校を選ぶという時代が来るかもしれない。そういった中で、これだけ学校での部活動に期待を寄せられているのはありがたいと思う。そういう意味でも積極的に進めていく必要がある。しかしながら、学校教育の中でやるべきことをわきまえていかなければ、自信過剰になれば組織がつぶれるということも考えられるのではないかと思う。
司会者 長時間ありがとうございました。競技力という話の中で、試合をしたら勝たなあかんと私は思う。そのことにど真剣に勝負する中に、いろんなものが出てくる。勝つためにいろんな活動があるが、その何々のためにというところが、もう一度見直される必要がある。部活動は心柔らかな成長期にある中学生に対して体力の向上や社会性、その他いろんなものをつけてきた目的があった。勝つためという目的のためにだけやる部活動ではなかったはずだ。そのあたりをもう一度掘り下げてみると、生涯スポーツ、競技力とあわせて新たな部活動を創造していくための1つの示唆があるのではないかと思う。
また、組織の充実等ではリストラその他社会経済状況もあわせて大変な時代が来るであろう。予算等もっと縮小されるかもしれない。競技力向上についても、勝つことについては対策も方法も工夫も実践されてきたが、先ほどからの話の中で考えると、今子どもたちが求めている部活動の指導内容や方法を、私達が当初から持っていた、たくさんの目的を達成するための指導内容や方法を、もう一度私達は研究しなおす必要があるのではないかと感じた。昨日のシンポジウムでも、いろいろな実践と経験による示唆がたくさん出されたし、今日も出された。私達はたくさん聞くうちに、何かできるであろうと言うのではなく、これからはその中から選びとっていく時代である。選びとりながら新しい部活動を創造する、私はそのようなことを強く感じた。
この2日間の研究を、先生方もそのような形で持ち帰って、来年はまたそのようなことを持ち寄り、新しい部活動へ向けて、また、組織・競技力の向上はどうあるべきかを協議しあいたいと思う、
多くの先生方の協力に感謝してこの会を終わりたい。

 

 

 

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